減感作療法
Desensitization
減感作療法について

減感作療法とは、アレルギー症状の原因となっている物質(例えば、ハウスダスト、スギ・カモガヤなど)を、最初は少量の薄い濃度から注射します。
徐々に高濃度にしていき、その物質に対する過敏性を鈍くさせることを目的とした治療法です。
アレルギー治療の中では唯一の根本療法です。
人は本来、体内に外敵が入り込んだ時に「免疫力」が働き、外敵を除去しようとします。しかし、外敵ではない物質(花粉・ハウスダストなど)が体内に入り込んだ際、免疫力がこれを外敵と勘違いして免疫反応が起こってしまうことを、アレルギー反応と言います。通常は薬による治療が一般的ですが、薬はアレルギー反応を一時的に抑えているに過ぎず、症状を抑えるためには薬を飲み続けなければいけません。
減感作療法は、免疫力が外敵だと認識しない程度の量のアレルゲンを体内に注入することで、アレルギー反応を抑えます。
これを繰り返しながら、少しずつ注入するアレルゲンの量を増やしていきます。最終的には、日常生活でアレルゲンと出会っても、アレルギー反応が起こらなくなるまでに体質が改善されてきます。
効果は人それぞれで、症状が改善するのは約70%だと言われています。但し、残り30%の方も、症状が軽くなったなど一定の効果は見られます。
また、治療期間は約1年間~3年間にも及び、非常に根気が必要な治療です。特に治療開始当初は、1週間に1回~2回のペースで通院していただく必要がございます。通院間隔は徐々に空けていき、治療期間が1年を過ぎた頃からは1ヵ月に1回程度になります。当然ですが、途中でやめてしまうと効果はありません。
減感作療法の種類
減感作療法には、治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」と、治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」があります。それぞれの特徴は表のとおりです。
免疫療法は、その他のアレルギー疾患の進展を予防する効果も期待できます。
「舌下免疫療法」と「皮下免疫療法」の違い
| 項目 | 舌下免疫療法 | 皮下免疫療法 |
|---|---|---|
| 投与方法 | 舌の下に薬を投与 | 注射 |
| 投与する場所 | 自宅(初回は医療機関) | 医療機関 |
| 痛み | なし | あり |
| アナフィラキシーのリスク | ほとんどなし | まれに現れる |
| 効果 | 8~9割 | 8~9割 |
| 治療期間 | 1年~3年 | 2年~3年 |
舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルゲンを含んだエキスを1日1回2分間を基本として舌の下に垂らし、その後飲み込みます。初回は病院で行い、経過を観察します、2回目以降は自宅で行うことができます。
基本的には、自宅での治療となります。最低でも2年間、毎日舌の下にエキスを垂らし、1ヵ月ごとに来院して診察を受けていただきます。
注射のような痛みがないことと、月に1度の通院で自宅治療を続けることができるのが特徴です。
皮下免疫療法

2014年までは、日本で認可されている減感作療法は注射による皮下免疫療法のみでした。
アレルゲンを含んだ注射液を、低い濃度から少しずつ濃度を上げながら注射していきます。
毎週1回注射を行い、4ヵ月~6ヵ月程度続けた後、徐々に注射の間隔をあけていき、1ヶ月に1回の注射とします。期待される効果をが得られるには、最低2年が必要とされています。
期待できる効果と持続期間
皮下免疫療法は高い効果が期待できる治療法で、治療を始めてからおよそ3ヵ月で症状の改善が見られることが多いとされています。
この治療を3年間継続した場合、その後に治療を中止しても効果が持続するケースが多いという報告があります。
さらに、治療終了後4~5年経っても、80~90%の方に効果が続いているという調査結果もあります。ただし、すぐに効果が現れる治療ではないため、継続的かつ長期的な取り組みが重要です。
治療の流れ
- 治療はまず、副作用のリスクを抑えるために、低濃度のアレルゲンを用いた皮下注射から開始します。
- 通常は週に1~2回の通院をお願いし、少しずつアレルゲンの量を増やしながら、数ヵ月かけて効果が期待できる高濃度のアレルゲン量(維持量)に到達することを目指します。
- この維持量に達した後は、維持療法としておおよそ4週に1回の注射を行い、少なくとも3年間の継続治療が必要とされています。
料金案内
保険診療
対象
- ダニ
- ブタクサ(皮下免疫療法のみ)
- スギ
自費診療
対象
- イヌ
- ネコ
- カモガヤ
- ススキ
-
料金(税込) イヌ 1バイアル3,800円、接種料金500円/回
ネコ 1バイアル5,000円 接種料金500円/回
カモガヤ・ススキ 接種料金900円/回
- 治療期間
- 1年~3年
- 治療期間
- 1週間に1回~2回のペースで通院が必要
副作用について
アレルゲン(アレルギーの要因となる原因物質)を体内に注入するため、いくつかの副作用が現れる可能性があります。当院では、注射前にチェックをする他、注射後30分は院内にて待機していただき、異常が現れた時にも迅速な処置ができるようにしています。
ご帰宅後、下記のような症状が表れた場合は、すぐに当院までご連絡ください。
局所反応
注射をした部位が腫れる・痛い・赤くなるなど、局所的に症状が現れる場合があります。すぐに消える場合や、軽い症状である場合は問題ありませんが、大きく腫れる、痛みや赤みが翌日以降まで続く場合は必ずご連絡ください。
誘発症状
注射後にアレルギー症状が現れる場合があります。例えばスギ花粉の場合、注射後に花粉症の症状が現れます。比較的症状が軽い場合が多いのですが、長く続く場合は治療効果が思うように得られないことが多いです。
全身症状
アナフィラキシーショックと呼ばれる症状が現れることがまれにございます。
この症状は注射後30分以内に起こるので、患者さまには万が一に備えて、注射後30分は必ず院内にて待機していただきます。
少しでも気分が悪くなったら、すぐに医師か看護師にお申し付けください。アナフィラキシーショックは命をも落としかねない危険な症状ですが、医師の手によって適切な処置を迅速に行えば、比較的短時間で自然に治ります。
