一般外来

気管支喘息

• 原因と症状

  喘息は、空気の通り道である気道に「炎症」が生じることで、気道が狭くなり呼吸がしにくくなる病気です。気道は様々な刺激に敏感に反応して狭まり、その結果、発作的に咳やゼーゼーとした喘鳴、呼吸困難が起こることがあります。

• 診断と治療

  喘息の診断では、問診や聴診に加えて、呼吸機能検査やアレルギー検査、胸部レントゲンなどを実施します。治療には、気道の炎症を抑えるステロイド薬と、気管支を広げる薬が使われます。現在はこれらを組み合わせた吸入薬が一般的で、重症の場合は注射による生物学的製剤の使用も検討されます。症状がなくても治療を続けることが、病気の悪化を防ぐために重要です。

慢性閉塞性肺疾患（COPD）

• 原因と症状

  COPD（かつては肺気腫と呼ばれていた）は、主に喫煙が原因で発症し、肺の炎症によって肺胞が破壊されたり気管支が狭くなったりする病気です。CT検査では、黒い空洞や気管支の壁の厚みが確認されることがあります。症状としては咳や痰、息切れが挙げられますが、初期の段階では気づきにくい場合もあります。

• 診断と治療

  喫煙歴があり、咳や痰・息切れの症状がある方は、COPDの可能性を考慮します。
  診断には呼吸機能検査や画像検査を行います。治療は病状の程度に応じて、長時間作用型の気管支拡張薬の吸入が基本となります。また、喘息の特徴がある場合は、ステロイド吸入薬も併用されます。

気管支炎・肺炎

• 原因と症状

  細菌やウイルスなどの病原微生物の感染が主な原因です。症状として咳や痰・息切れ・発熱・身体のだるさ・食欲不振などがあります。

• 診断と治療

  肺炎の診断には、胸部レントゲン検査を行います。
  さらに、原因となる細菌を特定するために、痰の検査や場合によっては採血や尿検査を実施します。
  判明した病原菌に合わせて、適切な抗菌薬を処方します。軽度の気管支炎や肺炎であれば当院で治療可能ですが、症状の重さによっては近隣の連携医療機関へご紹介することがあります。

肺非結核性抗酸菌症

• 原因と症状

  抗酸菌のグループには、結核菌と非結核性抗酸菌があります。非結核性抗酸菌は結核菌以外の抗酸菌の総称で、現在200種類以上が知られています。
  日本では、その約9割をMAC（マック）という菌が占めています。症状がない場合もありますが、咳や痰・血痰・息切れ・微熱・身体のだるさなどが現れることがあります。

• 診断と治療

  主に痰の検査で菌の有無を確認しますが、痰で診断が難しい場合は胃液を採取したり、必要に応じて気管支鏡検査（内視鏡検査）を行うこともあります。MACに対しては、抗結核薬を含む3〜4種類の薬を組み合わせて治療を行います。
  治療開始時には、副作用の管理などのために近隣の連携医療機関にご紹介する場合があります。

肺結核

• 原因と症状

  結核菌の吸入によって生じる感染症です。咳や痰・血痰・微熱・身体のだるさ、寝汗などの症状があります。

• 診断と治療

  画像検査で肺結核が疑われた際は、主に痰の検査を行い診断を進めます。
  顕微鏡検査で結核菌が陽性と判明した場合、周囲への感染リスクが高いため、結核専門の病床を持つ病院での入院治療が必要となります。治療には3〜4種類の抗結核薬を組み合わせて使用します。結核の疑いがある場合は、基本的に総合病院や専門医療機関へご紹介いたします。

気管支拡張症

• 原因と症状

  気管支拡張症の多くは、肺炎や結核などの感染後に発生します。
  主な症状は慢性的な咳や痰で、これが典型的です。気管支拡張症があると、肺炎などの呼吸器感染症を繰り返しやすく、副鼻腔炎（蓄膿症）を併発することもよくあります。また、血痰や喀血の原因となる場合もあります。

• 診断と治療

  胸部レントゲンやCT検査によって診断を行います。慢性的な咳や痰が続く場合は、クロライド系の抗菌薬を長期間服用することがあります。血痰や喀血が見られる場合には、近隣の連携医療機関へご紹介いたします。

睡眠時無呼吸症候群

• 原因と症状

  睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が弱まったり一時的に止まったりすることで、体内の酸素が不足する病気です。多くの場合、上気道が閉塞することが原因とされています。肥満や顎が小さいこと、舌の位置が下がること、また飲酒や睡眠薬の影響も関係しています。主な症状には、いびきや日中の強い眠気・頭痛・疲労感などがあります。

• 診断と治療

  睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、まず問診やエプワース眠気尺度（ESS）を使って評価します。簡易検査としてアプノモニターを装着し、その結果に応じて、必要であれば紹介先で詳しいポリソムノグラフィー検査を受けていただきます。無呼吸の回数が1時間に20回以上の場合は、CPAP療法により気道を広げて呼吸をサポートします。

• 風邪症候群

  風邪症候群はウイルスに起因する上気道疾患のひとつです。症状としては発熱や鼻水、咳やのどの痛みなどが知られています。自然に回復する場合もありますが、ほかの疾患の可能性もあるので、油断せずぜひ当院にご相談ください。

• 新型コロナウイルス感染症

  新型コロナウイルスによって起こる感染症であり、接触や飛沫で感染する場合が多いです。発熱やのどの痛み、倦怠感や咳などの症状があり、重症化することもあります。感染や拡大を防ぐために、手洗いやマスク着用などを推奨します。

• インフルエンザ

  インフルエンザウイルスに起因する感染症で、急激に高熱が出ることがありますし、筋肉痛や咳、頭痛など複数の症状が見られます。流行時期を踏まえてワクチン接種を行うことや、日々こまめに手洗いすることなどでリスクを低減できます。

• 咽頭炎

  咽頭炎（いんとうえん）とは、喉（のど）に炎症が起きる疾患です。細菌やウイルスに起因する場合が多く、発熱や喉の痛み、腫れなどが代表的な症状です。予防には手洗いやうがいが有効です。

• 扁桃炎

  扁桃炎とは喉の奥にある扁桃という部位で炎症が起きる疾患です。細菌やウイルスに起因し、症状として喉の痛みや発熱が知られています。ウイルス性なら対処療法が中心ですが、細菌性の場合、抗菌薬を投与します。

• 熱中症

  熱中症になると環境に適応して体温調節することが難しくなり、頭痛や吐き気、めまいなどが起こります。意識的に水分や塩分を補給することや、高温の場所にできるだけとどまらないことなどが予防の基本です。

※その他の疾患にも対応しておりますので、お気軽に当院までご相談ください。

定期予防接種

※1　小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に、定期接種として公費で接種できます。
※2　高齢者用肺炎球菌は、その年度に65歳になる方が対象となります。
※3　今年度対象年齢の方、それ以外の50歳以上の方は一部助成されます。

任意予防接種

助成金対象者について

助成金の対象者は豊橋市在住の方です。また、来院の際に下記のものをお持ちください。

• 母子手帳
• 子ども医療費受給者証（住所確認できるもの）
• 高齢者用肺炎球菌予防接種通知書
• 診察券